
特にクレジットカードでトラブルがあるとブラックリストに載ってクレジットカードが作れなくなるといったような話はよく聞きますよね。
でもブラックリストって一体どういうものなのか、案外知らない人は多いのではないでしょか?
今回この記事では、
- ブラックリストってどういうもの?
- ブラックリストに載っているか確認はできる?
- ブラックリストって解除されるの?
といった、クレジットカードのブラックリストについて解説していきます!
目次
クレジットカードのブラックリストの全体像を5つのポイントで解説!
ポイント | 解説の内容 |
---|---|
ポイント① | そもそもブラックリストとは?:ブラックリストとはどういうものなのかを解説します。 |
ポイント② | ブラックリストを確認する方法:自分がブラックリストかどうかを確認する方法があるので、その方法をご紹介します。 |
ポイント③ | ブラックリストに載る条件と期間:ブラックリストに載ってしまう条件とその期間について解説します。 |
ポイント④ | ブラックリストの消し方:ブラックリストを消す方法について解説します。 |
ポイント⑤ | ブラックリストでもカードは作れる?:ブラックリスト中でもカードは作れるのか?または代用はあるのかを解説します。 |
この記事では、クレジットカードのブラックリストについて、上にあげた5つのポイントを解説していきます。
ブラックリストという呼ばれ方なのでよくないものというイメージは強いですよね。
実際どういったものなのかを知ることで、載ってしまったらどうしたらいいのか、もう一生カードが作れないのか…といった疑問を解決することができます。
それでは順番に見ていきましょう!
クレジットカードのブラックリストとは…信用情報機関に悪い利用状況が載ってしまうこと!
信用情報機関 | 登録している会社 |
---|---|
CIC (クレジットインフォメーションセンター) |
|
JICC (日本信用情報機構) |
|
JBA (全国銀行個人信用情報センター) |
|
まずクレジットカードのブラックリストに載る、というのは信用情報機関に支払い遅れや債務整理など金融事故の情報が載ってしまうことを指します。
なので実は「要注意人物リスト」のようなカード業界全体に出回るブラックリストというのは厳密には存在しません。
(ただしカード会社それぞれで悪質な利用歴があると社内ブラックリストのような形で保管される場合もあります。)
信用情報機関というのは、クレジットカード・ローン・借金・携帯電話の本体代金など支払いに関わる情報を記録していく機関。
日本では上にあげた3つの信用情報機関が存在しており、会社・業界ごとに信用情報機関に加盟して情報確認ができるようになっています。
この支払い状況が記録されていく情報の積み重ねはクレジットヒストリー(クレヒス)と呼ばれ、クレジットカードの審査などに確認される情報です。
クレジットカード会社は信用情報機関を通して申し込みした人の審査をする

クレジットカード会社は、カード発行の際に必ず「この人はちゃんと支払い能力がある人なの?」ということを審査します。
その際にカード会社は、信用情報機関(クレジットカードなら一般的にはCIC)と通して申し込みした人のカード利用状況などを確認することが可能です。
- ちゃんと毎月支払いができているかどうか
- 借金があるかどうか
- 他社のクレジットカードへの申込み状況
などなど、クレジットカードの利用状況というのは全部バレバレということですね。
なので支払い延滞などの悪い利用歴がある場合、ウソをついても意味がない上に印象も最悪なんです。
金融事故情報は3つの信用情報機関で共有されている
- 長期間の延滞
- 連続の延滞
- 強制解約
- 債務整理
- 代位弁済
- 自己破産
カード会社は基本的に加盟している信用情報機関の情報しか確認することができません。
ですが金融事故情報(異動情報とも呼ばれる)だけは別で、3つの信用情報機関すべてで情報が共有され、カード会社に限らずあらゆる金融機関で確認することが可能です。
主な金融事故は上のようなもので、この金融機関情報を共有されてしまう状態を一般的にブラックリストに載ると呼んでいるということですね。
この状態になるとその人の支払い能力は当然ながら信用できないと判断されるため、
- 新しくカードが作れなくなる
- 新たな借金ができなくなる
- ローンが組めなくなる
といったように、クレジットカードだけではなくお金に関するあらゆる制限を受けるようになってしまいます…。
クレジットカードのブラックリストかどうかを確認する方法!
上のリンクを押すとそれぞれの説明にジャンプします。
それでは自分がクレジットカードのブラックリストなのかどうかを確認する方法をご紹介します。
クレジットカードの場合はほとんどのカード会社が信用情報機関のCICに加盟しているので、基本的にCICに開示要求をすれば確認が可能です。
開示要求の仕方や開示報告書の見方を順場に見ていきましょう!
情報開示の要求はネット・郵送・窓口でできる
開示依頼 | 手数料 | 開示に掛かる時間 |
---|---|---|
パソコン | 1,000円 クレジットカード1回払い |
手続き・決済後すぐ |
スマホ | 1,000円 クレジットカード1回払い |
手続き・決済後すぐ |
郵送 | 1,000円 定額小為替証書払い |
返送まで10日程度 |
窓口 | 500円 現金払い |
手続き・決済後すぐ |
CICの持つ信用情報の開示は、パソコン・スマホ・郵送・窓口で依頼することができます。
パソコン・スマホ・窓口で依頼した場合は手続き後にすぐ信用情報を見ることができますが、郵送で依頼する場合だけ返送まで10日ほど掛かるのですぐに確認することができません。
依頼の仕方についてはそれぞれ下のボタンをタッチすると見ることができます。
パソコン・スマホで信用情報開示を依頼する場合はほぼ同じ手順でできるので、まとめて解説します。
- 開示依頼の前に、手数料の1,000円を支払うためにCICの決済に対応したクレジットカードかどうかを確認します。
CICはクレジットカードの対応範囲が狭めなので、こちらの対応クレジットカード一覧で確認してみてください。 - まずは電話で受付番号を取得します。「0570-021-717」に電話をかけてください。
電話をかけるときはかならずカード会社に届け出た番号でかけないと正常に開示がされない場合があります。
- 電話で受付番号を取得したら、1時間以内に開示依頼ページで受付番号やお客様情報を入力します。
お客様情報は必ずクレジットカード会社に届け出たものと同じものを入力しましょう。
- 情報の入力確認、クレジット決済が終われば信用情報の開示報告書がpdfファイルでダウンロードできるようになり、印刷も可能です。
仮に操作ミスでダウンロード前に画面を閉じるなどしてしまっても、96時間以内に再度開示依頼をすれば追加の手数料は取られません。
- まず以下の3つを用意します。
- 上で用意した3つを封筒に入れて以下住所まで郵送します。
〒160-8375
東京都新宿区西新宿1-23-7 新宿ファーストウエスト15階
(株)シー・アイ・シー 郵送開示センター 宛 - 10日ほどで信用情報の開示報告書が返送されてきます。
- まずは本人確認書類と手数料500円を用意します。
本人確認書類は運転免許証・運転経歴証明書・パスポートなどです。
- 次に全国にあるCICの窓口で手続きをします。CICの窓口は、
首都圏開示コーナー
東京都新宿区西新宿1-23-7 新宿ファーストウエスト15階
北海道開示コーナー
札幌市中央区北3条西3-1-6 札幌小暮ビル8階
東北開示コーナー
仙台市青葉区中央4-2-16 仙台中央第一生命ビルディング7階
中部開示コーナー
名古屋市中区丸の内2-20-25 メットライフ名古屋丸の内ビル8階
近畿開示コーナー
大阪市北区梅田三丁目4番5号 毎日インテシオ 5階
中四国開示コーナー
岡山市北区下石井一丁目1番3号 日本生命岡山第二ビル 新館4階
九州開示コーナー
福岡市中央区天神1-2-12 メットライフ天神ビル7階の全国7箇所になっています。
- CIC窓口でセルフ開示端末をタッチパネルで操作して必要項目を入力します。
入力が終わったら受付で本人確認書類を提出して本人確認してもらいましょう。
- 本人確認ができたら信用情報の開示報告書を手渡してもらえます。
CICの開示報告書の見方を解説!ブラックリストかどうかはここを確認!

CICから情報を開示されると、上のような報告書を見ることが可能です。
この報告書には直近2年分のクレジットカードの利用額、支払い状況などが載っており、金融事故があればその内容も記載があります。
初めて信用情報報告書を見る人のためにブラックリストかどうかを確認する見方を解説しておきますね!

- まず上の画像の右上にある「返済状況」という項目に「異動」とあるかどうか確認してください。CICではここに異動と入る条件としては、
・返済日から61日以上または3ヶ月以上の支払い遅れがある、あった
・契約者本人の代わりに保証会社が弁済した
・裁判所が破産を宣告(破産手続開始が決定)したものとなっています。つまり金融事故が発生しているので、一般的に「ブラックリストに載る」という状態です。
- 次に下の方にある「入金状況」という項目には、過去2年分の支払いがどうなっていたかが記号で記録されます。記載される記号とその意味は、
表示 内容 $ 請求どおりに支払った、引き落とした P 請求の一部が入金された R 契約者以外から入金された A 契約者の都合で支払日に支払いをしなかった(未入金) B 契約者以外の原因で入金がなかった C 入金されていないが、原因不明 – 請求も入金もなかった(クレジット利用がないなど) 空欄 クレジット会社から情報が更新されていない(クレジット利用がないなど) - 最後に右下の「終了状況」のところを見ると、金融事故をどう処理したかが記録されています。記載される内容としては、
表示 内容 完了 支払いを完了し、カード会社と契約終了したもの(解約) 本人以外弁済 保証会社など契約者以外が支払った場合 貸倒 カード会社が貸倒として処理したもの(回収できない) 移管終了 ・複数の契約を一本化するために契約終了になったもの
・カード会社が契約者への債権を第三者に渡したもの法的免責 自己破産など、支払いの免除を法的に認められたもの 空欄 契約が継続中のもの とこのようになっています。「終了状況」が空欄のままだとブラックな状態のまま処理が完了していないということです。
とこのようになっています。上の画像だと情報開示の5ヶ月前から契約者が支払いをしていない「長期の支払い延滞」で金融事故になっているのが分かります。
クレジットカードのブラックリストに載る条件と期間について解説!
上のリンクを押すとそれぞれの説明にジャンプします。
ここではブラックリストに載ってしまう条件と期間について解説していきます。
支払いに1回遅れたから即ブラックリスト!…と思う人もいるかもしれませんが、ブラックリストに載るのには一定の条件・期間が存在しているので、それらを順場に見ていきましょう!
ブラックリストに載ってしまう金融事故とその条件
金融事故の種類 | 条件 |
---|---|
長期間の延滞 | 支払い日から61日以上の支払い滞納をしている |
連続での延滞 | 3ヶ月以上連続で支払いを遅延している |
強制解約 | 支払い遅延などを繰り返す悪質な利用者との契約をカード会社が一方的に解約する |
債務整理 | 手続きによって借金の減額や支払い猶予をする |
代位弁済 | 保証会社が契約者の代わりに支払いをする |
自己破産 | 返済ができなくなった場合に自分の財産を手放して返済義務を免責される |
上にあげたような条件を満たしてしまうとそれぞれ金融事故として扱われ、ブラックリストに載ってしまう可能性が高いです。
どの金融事故も相当支払い状況が悪い場合に起こるものなので、ブラックリストに載ってしまうのも当然といったところですね。
逆にちゃんと支払いを続けてきた利用歴のある人が、たまたま1回だけ数日の支払い遅延をしてしまったような場合はすぐに対処すれば信用情報にマイナスな記録が残らないことが多いです。
金融事故とは違いますが、お金に困っている人…?と見られやすいのでクレジットカードの審査に通りづらくなるでしょう。
ブラックリストはどれくらいの期間載っている?…金融事故の種類によって異なる
CIC (クレジットインフォメーションセンター) |
JICC (日本信用情報機構) |
JBA (全国銀行個人信用情報センター) |
|
---|---|---|---|
長期間の延滞 | 5年 | 1年 | 5年 |
連続での延滞 | 記録されない | 5年 | 5年 |
強制解約 | 5年 | ||
債務整理 | 5年 | ||
代位弁済 | 記録されない | 5年 | 5年 |
自己破産 | 5年 | 5年 | 10年 |
金融事故が信用情報機関に記録されている期間は上のようになっており、支払い延滞を解決してからだいたい最長5年間です。
支払い延滞には時効が存在しないので、この状態を解決しない限りブラックリストに載り続けることになります…。
例えばカードの利用額を長期間の延滞をしてしまって完済まで5年掛かったとすると、完済までの5年+解決から最長5年記録されるので、最長で10年間ずっとブラックリストに載り続けるという感じですね。
クレジットカードのブラックリストの消し方は?…解除されるまで待つしかない!

ブラックリストに載った状態を解除するにはとにかく待つしかありません!
信用情報機関はあくまでも記録をしているだけなので、手続きすれば…とかお金を払えば…といった方法で消すことは不可能です。
具体的には、
- 支払い延滞をしている状態を解決する
- 解決してから記録されている期間が過ぎるのを待つ
とこういった感じで、例えば長期間の延滞なら解決から最長で5年間待てば悪い記録は消えます。
もちろんブラックリストが消える前に新たに金融事故を起こしてしまったら、その記録も当然ブラックリストとして長期間残るので注意しましょう。
詐欺なので騙されないようにしましょう。
ブラックリスト中でもクレジットカードは作れる?代用はある?
ブラックリストに載っているうちは、基本的にクレジットカードの審査は通らなくなるので、普通にカードを持つことはできません。
しかしクレジットカードはやはり便利なものなので、ブラックリスト中でも作れないか…せめて代用はないか…といったことも考えると思います。
ここではブラックリスト中でも作れるクレジットカードや、代用になるカードをご紹介していきますね!
【作れるカード①】デビットカード

利用時に即銀行口座から利用額引き落としのデビットカードなら、クレジットカードの代用として作ることができます。
利用額後払いのクレジットカードとは違い、銀行口座の残高までしか使えないのでやや不便さは感じるかもしれません。
しかし支払いを遅延される心配がないことから審査不要というのが最大のメリットです。
VISA・JCBなど国際ブランドのものが持てるので、ブラックリスト中でもカードを利用したい人におすすめ!
中でも楽天デビットカードは100円利用ごとに1ポイント(還元率1%)貯まるのでお得ですよ。
【作れるカード②】デポジット型のライフカードDP

項目 | 内容 |
---|---|
申し込み資格 |
|
年会費 | 5,000円(税別) |
保証金 | 50,000円 |
100,000円 | |
利用限度額 | 保証金と同額 |
カードブランド |
![]() |
ブラックリストに載っている最中にどうしてもクレジットカードを持ちたいという場合は、「ライフカードDP」なら確実に持つことが可能です!
ライフカードDPはデポジット型と呼ばれており、保証金を預けることで保証金と同額を利用限度額として使えます。
なのでカード会社からすれば、利用額を踏み倒される可能性がないです。
年会費が掛かる・最初に保証金が必要・キャッシング利用不可と制限はありますが、審査が超緩めで発行してもらえるというのが最大のメリット。
普通のMasterCardブランドのカードとして利用できるので、ブラックリスト中におすすめのクレジットカードです!
※ちなみにブラックリスト中でも稀に審査に通るかもしれないクレジットカードもあるので、それらのカードについては以下の記事でご紹介しています。
クレジットカードのブラックリストに関するQ&A
ここではクレジットカードのブラックリストについて、よくある質問をまとめています。
結婚するとブラックリストはどうなりますか?
あくまでその人個人の情報として登録されているため、名字の変更などはブラックリストに影響しません。
家族が亡くなった場合、本人に変わって代理で信用情報の開示はできますか?
家族がブラックリストだと自分もクレジットカードが作れなくなりますか?
ただもし専業主婦や未成年の人がカードを作ろうとした場合、世帯主がブラックリストだとカードが作れない可能性はあります。
クレジットカードのブラックリストに関するまとめ
- ブラックリストに載る=信用情報機関に悪い支払状況が登録される
- 金融業界全体の要注意人物のリストがあるわけではない
- カード・ローン・借金などあらゆる支払い状況が登録される
- ブラックリストかどうかは信用情報機関に請求すれば確認できる(有料)
- ブラックリストに載るとクレジットカードが作りにくいなど影響がある
- ブラックリストの情報は完済・債務整理から5年(最長10年)で消える
ここまでクレジットカードのブラックリストについて見てきましたが、いかがだったでしょうか?
ブラックリストというのは要注意人物のリストがあるわけではなく、信用情報機関に悪質な支払い状況が登録されることをブラックリストに載ると一般的に呼んでいます。
延滞・債務整理などがあると支払い能力を疑問視されてしまうため、新しくクレジットカードが作れなくなるなどの影響は避けられません。
なので支払いの滞納など金融事故は絶対に避けたいところではありますね。
ただ、もしブラックリストに登録されてしまった場合はとにかく完済するなどして、新しく金融事故を起こさずに5年を経過するとだいたい消えます。
銀行に引き落とし前に入金を忘れた、など金融事故になりうることは案外身近にあるものなので、クレジットカードの利用は十分に気をつけたいですね!