
最近では、多くの人がクレジットカードを保有しています。
ですがそのほとんどが「個人向けカード」という、一般ユーザー向けのカードであることをご存知でしょうか?
実は「個人向けカード」のほかに、「法人カード」という種類のクレジットカードが存在します。
どんな人が使うカードなのかというと、主に「事業の経費をクレジットカードで決済したい人」に向けたクレジットカードです。
そこで今回は、まだ法人カードを持っていない法人の代表の方や個人事業主の方に向けて、おすすめの法人カードを比較・紹介します。
合わせて選び方のポイントもお伝えしていきますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてくださいね!
法人カードには一般的に
- ビジネスカード…中小企業・個人事業主向け、追加カード20枚未満
- コーポレートカード…大企業向け、追加カード20枚以上
という感じで、事業規模によっても種類が異なります。今回は主に中小企業・個人事業主向けのビジネスカードをご紹介します。
目次
個人向けカードと法人カード(ビジネスカード)の違いを解説!
法人カード | 個人向けカード | |
---|---|---|
利用限度額 | 高め (いきなり数百万円以上も可) |
低め (多くは数十万円からスタート) |
ビジネス向け付帯サービス | ![]() |
![]() |
引き落とし口座 |
|
個人名義の口座 |
法人カード(ビジネスカード)とは会社や個人事業主などの「企業・法人」に対して発行されるクレジットカードのことを指します。
個人向けカードとは違い、カードの券面に会社名が印字される場合や、カードデザイン自体も法人専用のものが用意されている場合も。
おそらくほとんどの人は法人カードの存在を知る前に、自然と個人向けカードの申込書に必要事項を記入し、申込んでいるのではないでしょうか?
なのでまずはみなさんに馴染みのある「個人向けカード」と「法人カード」の違いについては上にあげた3つがあるので、順番に解説しますね!
個人向けカードに比べて利用限度額が大きい!
まず大きな特徴は、個人カードに比べて利用限度額が高い、ということです!
例えば個人向けの一般カードなら利用限度額30万円などですが、法人カードならいきなり利用限度額100万円以上ということも。
一般的にこの限度額を決めるための審査基準は、法人代表者の返済履歴や利用額・法人設立からの年数・経営状態など、「会社そのもの」が審査されます。
個人に比べるとやはり会社・個人事業主のほうが高額なお金が動きやすいですからね。
高い限度額が設定されることで、個人向けカードでは限度額を気にしなければいけない大きな額のものも、不便を感じることなく購入することが可能です。
ビジネス向けの付帯サービスが用意されている!
ほとんどの法人カードが個人向けカードと同様に、利用額に応じてポイント付与・航空系のマイレージサービスなどが付帯しています。
それに加えて法人カードによっては、
- コンサルティングサービス
- 弁護士相談サービス
- スポーツクラブの優待
- 健康診断が割引で受けられる
事業者向けならではのサービスを用意しているカードもあります。
また多くの法人カードでは海外旅行の損害保険付帯サービス・海外でのキャッシングの利用・海外出張中の保証などがあるため、保険料の節約にも!
法人名義の口座からの引き落としができる!
個人向けカードは、基本的に個人名義の銀行口座と紐づけられ、その口座から毎月の利用額が引き落とされます。
ですが法人カードの場合、一部の例外を除いて法人名義・屋号名義の銀行口座と紐づけられ、そこから経費の引き落としが可能です。
事業費を個人向けカードで支払いをすると、個人利用分と経費支払いが混ざってややこしいことになってしまいますよね…。
なので法人口座から引き落とすことでより経費の支払いだけをまとめることができます!
法人カード(ビジネスカード)のメリット・デメリットは!
法人カードは、個人向けカードにはない利用感があります。
それによって生じるメリット・デメリットがあるので、ここではそれらをご紹介しますね!
法人カード(ビジネスカード)の3つのメリット!
法人カードを使うメリットは、大きく分けて上のようなものがあります。
それぞれ順番にご紹介するので見ていきましょう!
個人利用と事業利用でカードを分けることで経費の状況がすぐ分かる!
自営業・個人事業主の人は、個人的な買い物などの「私的決済」・会社備品の購入や交通費などの「事業決済」の大きく分けて2種類の決済が発生します。
この2つを同じクレジットカードで決済してしまうと、どれが私的決済でどれが事業決済かわからなくなってしまうことも。
個人用カードと事業用カードを分けることで支払い時に公私の区別ができるので、経費の状況も法人カードの利用明細を見ることで一目瞭然です!
事業費を個人向けカードで決済していて、利用限度額を消費してしまい個人利用できない…という状況を回避できます。
利用限度額が大きいので急な出費にも備えられる!
個人向けカードとの違いの部分でも触れましたが、法人カードの利用限度額は高く設定される傾向があります。
利用限度額が高いことで、個人向けカードの限度額では決済できないような大きな金額の仕入れなどが可能です。
また手元資金だけでは支払いが難しい仕入れなどもできるので、決済したいときに決済できるのは大きな強みになります。
利用から支払いまで猶予があるのでキャッシュフローの調整ができる
これまで現金で支払っていた経費をカードで支払うことで、支払いは引き落とし日に集約されます。
資金繰りの調整負荷が軽減される上、クレジットカードで決済した場合、現金決済とは違い実際の決済日から引き落とし日まで通常1~2ヶ月程度先に!
つまり支払いの先送りができるので、キャッシュフローを改善されます。
法人カード(ビジネスカード)のデメリットは年会費!
個人向けカードとは異なり、ほとんどの法人カードは年会費が掛かる傾向にあります。
その理由は充実した付帯サービスで、付帯サービスがしっかりと整備されているため、どうしても年会費がかかってしまいがち。
ただ個人向けカードでも年会費が掛かるものも多いですし、最近では年会費無料のカードも数種類生まれています。
ランニングコストを気にする人はそういった法人カードを選ぶのも良いでしょう。
また年会費は経費で落とすこともできるので、賢く処理すればそんなに大きな負担にはならないと思います。
どのカードがいい?法人カード(ビジネスカード)の選び方3つのポイント!
法人カードはどれを作ったらいいのか?初めてだと迷ってしまいますよね…。
そこで法人カードの選び方について、上に重視すると失敗しにくい3つのポイントをあげました。
それぞれ順番にご紹介していきますね!
利用限度額が経費決済に必要十分な法人カードを選ぶ
法人カードは主に事業費に使うものですから、決済額は個人利用に比べると高くなりがちです。
なので急な出費の対応なども考えると利用限度額はやはり高いに越したことはありません!
ですが利用限度額が高いカードほど年会費も高額になる傾向があるので、個人事業主の場合などでは必要十分な枠があれば十分でしょう。
月々の決済したい金額のだいたい1.5倍~2倍程度は利用限度額があったほうが安心です。
なので経費で落とせるという点も考慮して年会費が掛かるカードも検討したほうがいいでしょう。
特典・付帯サービスが必要十分な法人カードを選ぶ
利用限度額だけでなく、特典・付帯サービスなども十分かどうかを考慮しましょう。
例えば法人カードには旅行傷害保険が海外・国内とも付いている場合が多いので、出張が多い場合は保険代わりにおすすめです。
また空港ラウンジサービスがよく利用する空港で無料利用できるのか、なども重要ですね。
逆に出張にはあまり行かない場合は、上のような特典・付帯サービスはあまり必要ありません。
こんな感じで、必要な特典・付帯サービスが付いた法人カードを選ぶのがおすすめです。
追加カードの枚数が必要十分な法人カードを選ぶ
法人代表者の場合、自分だけではなく何人かの従業員にも会社用に法人カードを持たせたい場合があります。
その場合は追加カードが何枚まで発行できるのかを確認するといいでしょう。
追加カードはメインカードに対して何枚まで発行できるかがカードによって異なります。
- そもそも追加カードは発行不可
- 3枚~4枚などなら可
- 何枚でも無制限に発行OK
といったようにカードによって全然違うので、発行したい枚数に必要十分な数が必要です。
法人代表・個人事業主におすすめな法人カード(ビジネスカード)6枚を比較!
カード名 | 国際ブランド | 年会費 | ポイント・還元率 | 利用限度額 | 付帯サービス・特典など |
---|---|---|---|---|---|
アメックス ビジネス ゴールドカード![]() |
![]() |
|
0.3〜1.0% (メンバーシップ・リワード) |
一律の決まりなし |
|
三井住友ビジネスゴールドカード for Owners![]() |
![]() |
|
0.5% (Vポイント) |
50万~300万円 |
|
JCB法人カード![]() |
![]() |
1,375円(税込) | 0.5% (Oki Dokiポイント)/td> | 10~100万円 |
|
ライフカードゴールドビジネス![]() |
![]() |
|
0.5% (LIFEサンクスポイント) |
10~500万円 |
|
NTTファイナンスBizレギュラーカード![]() |
![]() |
無料 | 1.0% | 40万円~80万円 |
|
オリコEX Gold for Biz![]() |
![]() |
|
0.5% (暮らスマイル) |
10万~300万円 |
|
法人代表・個人事業主におすすめな法人カードを、6枚ピックアップして比較しました!
年会費が掛からないものは少ないですが、その分ビジネス特典を中心に特典が充実しています。
また個人向けカードに比べると利用限度額が高めなカードが多いのも特徴ですね。
ここからピックアップした6枚の詳細をおすすめ度順にご紹介するので見ていきましょう!
アメックス ビジネス ゴールドカード…特典充実の王道法人カード!
項目 | 内容 |
---|---|
国際ブランド | ![]() |
年会費 | 34,100円(税込) |
還元率 | 0.3〜1.0% |
貯まるポイント | メンバーシップ・リワード |
ポイントのカウント方法 | 100円の利用につき1ポイント |
ポイントの有効期限 | 最大3年間 (1度でもポイントを何かに交換すれば無期限に) |
付帯サービス | ビジネス関連(一例) |
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出張・トラベル関連(一例) | |
|
|
ビジネス交流関連(一例) | |
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|
付帯保険 |
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利用限度額 | 一律の上限なし |
追加カード | 1枚あたり13,200円(税込) |
ETCカード | 年会費550円(税込)/1枚 |
申込資格 |
|
締め日/支払い日 | パターン1 |
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パターン2 | |
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|
パターン3 | |
|
特におすすめの1枚は、言わずと知れた法人カードの王様のアメックス・ビジネスゴールドカードです!
30,000円以上の年会費がかかるためステータスカードの筆頭という認識が強いカードですが、初年度は年会費が無料となっています。
年会費が高めに設定されているだけあって、付帯サービスはとても充実しているのが大きな特徴!
- 商談・接待のサポートや調査
- 無料電話健康相談
- コンサルティング
- 手厚い旅行傷害保険
- 空港ラウンジサービス
などなど幅広いビジネスサポートの特典があるので、これらを有効活用できるなら年会費以上のメリットがあります。
もし利用限度額以上の決済が必要になった場合、アメックスの事前承認手続きを利用しましょう。
一時的な利用限度額の増額にかなり柔軟に対応してもらえます。
利用限度額を大きくしたい場合にもおすすめといえますね。
三井住友ビジネスゴールドカード for Owners…三井住友発行の高い信頼性!
項目 | 内容 |
---|---|
国際ブランド | ![]() |
年会費 |
|
還元率 | 0.5% |
貯まるポイント | Vポイント |
ポイントのカウント方法 | 毎月の利用金額の合計の0.5%ト |
ポイントの有効期限 | 最大3年間 |
付帯サービス |
|
付帯保険 |
|
利用限度額 | 50万~300万円 (本会員が個人カードを持っている場合は合算) |
追加カード | 1枚あたり2,200円(税込) |
ETCカード | 無料 (前年に一度も利用がない場合は550円) |
申込資格 | 満20歳以上の法人代表者・個人事業主 |
締め日/支払い日 | パターン1 |
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パターン2 | |
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三井住友ビジネスゴールドカード for Ownersは三井住友カードが発行するカードで、その信頼感は抜群です!
国際ブランドはVISA・マスターカードになるため、世界中ほとんどのお店で利用することができます。
海外・国内旅行傷害保険が最高5,000万円と充実の内容で、空港ラウンジサービスなども付帯するので出張にも対応可です。
年会費は11,000円(税込)掛かりますが、ネット申し込みすれば初年度は無料になるので、ぜひネット申し込みしましょう!
JCB法人カード…格安で使える法人カード!
項目 | 内容 |
---|---|
国際ブランド | ![]() |
年会費 | 1,375円(税込) |
還元率 | 0.5% |
貯まるポイント | Oki Dokiポイント |
ポイントのカウント方法 | 1,000円ごとに1ポイント(5円相当) |
ポイントの有効期限 | 2年間 |
付帯サービス |
|
付帯保険 |
|
利用限度額 | 10~100万円 |
追加カード | 1枚あたり1,375円(税込) |
ETCカード | 年会費・発行手数料無料 |
申込資格 | 法人または個人事業主 |
締め日/支払い日 |
|
年会費をなるべく抑えつつ法人カードを作るなら、JCB法人カードがおすすめ!
年会費は個人向けのJCB一般カードと同じ1,375円(税込)ですが、付帯サービス・付帯保険は十分なスペックがあります。
中小企業・個人事業主の人が最初に法人カードを持つのにはいい選択肢になるでしょう。
JCBカードの共通ポイントとなる「OkiDokiポイント」は、経費決済利用などでも貯まります。
貯まったOkiDokiポイントは好きな景品と交換できるだけでなく、マイルや他のポイントへの移行も可能なので使い勝手はいいですね!
ただ年会費が高額な法人カードに比べると、利用限度額が最大で100万円となるのは注意しておくといいでしょう。
ライフカードゴールドビジネス…格安年会費でゴールドの法人カードが持てる!
項目 | 内容 |
---|---|
国際ブランド | ![]() |
年会費 |
|
還元率 | 0.5% |
貯まるポイント | LIFEサンクスポイント |
ポイントのカウント方法 | 1,000円につき1ポイント |
ポイントの有効期限 | 最大2年間 |
付帯サービス |
|
付帯保険 |
|
利用限度額 | 10~500万円 (500万円超の限度額設定は要相談) |
追加カード | 1枚あたり2,200円(税込) |
ETCカード | 年会費無料 |
申込資格 | 法人または個人事業主 |
締め日/支払い日 |
|
ライフカードゴールドビジネスは年会費は2,200円(税込)と低めの設定ながら、ゴールドの法人カードを作ることが可能!
国内主要26空港の空港ラウンジを利用できる空港ラウンジサービス・最大2000万円の海外旅行傷害保険(自動付帯)など出張する際の特典が充実しています。
書類審査は本人確認資料のみのため、スタートアップ企業やフリーランスの方でも比較的、申し込みやすいカードです。
ただしショッピング保険は付いておらず、海外・国内旅行保険も年会費なりの補償額となっており、やや物足りなさを感じるかもしれません。
NTTファイナンスBizレギュラーカード…代表カード・子カードとも年会費無料!
項目 | 内容 |
---|---|
国際ブランド | ![]() |
年会費 | 無料 |
還元率 | 1.0% |
貯まるポイント | ー |
ポイントのカウント方法 | 1,000円の利用につき10ポイント |
ポイントの有効期限 | 2年間 |
付帯サービス |
|
付帯保険 |
|
利用限度額 | 40万円~80万円 |
追加カード | 無料 |
ETCカード | 550円(税込)/1枚 |
申込資格 |
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締め日/支払い日 |
|
NTT発行のNTTファイナンスBizレギュラーカードは、法人カードとしては珍しい年会費無料のカード!
維持費を考えなくていいので、起業したてでコストをできるだけ掛けたくない場合などはおすすめできます。
それでいて海外・国内旅行傷害保険など、付帯サービスや付帯保険なども最低限あるのでスペックは十分ですね。
ただ利用限度額は40万円~80万円と法人カードとしてはやや低い設定なので、その点が気になる場合は別のカードのほうがいいでしょう。
法人申し込みはこちらで詳細が確認できます。
オリコ EX Gold for Biz…個人の信用で審査可!
項目 | 内容 |
---|---|
国際ブランド | ![]() |
年会費 |
|
還元率 | 0.5% |
貯まるポイント | 暮らスマイル |
ポイントのカウント方法 | 1,000円の利用ごとに1スマイル (1スマイル=5円相当) |
ポイントの有効期限 | 2年間 |
付帯サービス |
|
付帯保険 |
|
利用限度額 | 10万~300万円 |
追加カード | 3枚まで追加可/無料 |
ETCカード | 年会費無料 |
申込資格 |
|
締め日/支払い日 |
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会社の実績がない場合でも作りやすいゴールドの法人カードが、オリコ EX Gold for Bizです。
このカードは申し込みに必要な書類は、入会申込書・本人確認資料だけで、登記簿謄本・決算書は必要ありません。
またゴールドカードにしては年会費が初年度無料・2年目以降も2,200円と安いので、コスト面の負担は小さいですね。
付帯サービスも充実しており、日本国内や海外での宿泊・飲食の優待、空港ラウンジ無料など、他社のゴールドカード比較しても十分なスペックがあります!
法人カード(ビジネスカード)のQ&A
法人カード(ビジネスカード)を個人用に使っても大丈夫ですか?
ただし個人利用と経費を分けるのが法人カードの大きなメリットなので、決済は分けたほうがいいでしょう。
法人カードの審査基準はどのようなものですか?
法人カード(ビジネスカード)のまとめ!
- 法人カードは法人代表者・個人事業主向けのクレジットカード
- 利用限度額が高めでビジネス向け特典が充実している
- 個人利用と事業利用で決済を分けられて経費処理も楽に!
- 個人向けカードよりも特典が多い分だけ年会費は有料が多め
- 法人カードの中で特におすすめなのはアメックス ビジネス ゴールドカード!
今回は法人カード(ビジネスカード)の概要・おすすめカードについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
個人向けカードのままでも事業費の決済や管理自体はもちろんできます。
しかし法人カードを利用した方が経費処理が便利な上に、大きな金額の仕入れが必要な時など、焦ることなく事業を進めることが可能です。
一般的に法人カードは年会費が有料なものが多いですが、その分だけ付帯サービスが豊富だったりするのでトータルではお得なことも!
各種法人カードにはそれぞれ特徴があるので、この記事を参考にあなたにぴったりの法人カードを見つけてくださいね。